ララドールとキューティドール2010ほのか

ロリータ型のクッションラブドールが2種立て続けに発表されたので、公式画像と仕様からの感想など。
オリエント工業からララドール。全体としてはぬいぐるみで、首から上と肘から先と足首から先がソフトビニール製。身長126cmで8才相当の割に胸と尻が発達しており(サイズは64-46-74)、ギャラリーの着衣写真を見ると小学3年生としてありえないCカップほどありそうな胸に違和感を禁じえない。顔はオリエントらしい、リカちゃん人形の系譜に連なる昭和な雰囲気のお人形顔。全体としてはファンタジーの産物として整合が取れており、リアリティを求めない層には抵抗感なく受け入れられるだろう。この書き方でばればれだろうが、私はあまり欲しいと思っていない。
クオリティは高いので売れるとは思う。体が一見してまともな造形をしており(実際には大人の体のミニチュアなんだけど)、顔も可愛らしく、木偶の坊のキューティドールの欠点を立派に克服している。値段も全部込み(パジャマ付き、ホールなし)で税込み94,000円+送料1,500円というのは随分勉強した価格だと思う。あの立体感を出すために内部で様々な工夫をしていることが予想され、構造の複雑さはそのまま製造コストを押し上げているはずだ。
ラブドールとしての使い勝手をある程度犠牲にして、着せ替えと撮影を優先したという印象を受ける。
言うまでもなくクッションドールは着せ替えに最適だ。布は色移りしにくいので、色の濃い衣装でも気兼ねなく着せられる。また変なところで曲げても壊れないので、腕の通しやすさではドール類の中でも群を抜いている。その一方で関節があるわけではないので自立できないのはもちろん、凝ったポーズで固定することも難しい。基本的にはどんなポーズを取らせても寝た姿勢に戻ろうとする復元力が働くはずで、ただ重力と摩擦の助けを借りて(手足の先端がどこかに乗っている・引っかかっている状態限定で)復元力に拮抗できる範囲内で体勢変更を保持しているに過ぎない。
裸状態だと布とソフトビニールの境目が気になる。この問題は前腕まであるトップスと足首をカバーする靴下で解消できる。ソフビの手足、とくに指がきちんとした造形をしていることは写真の見映えの上で重要な役割を果たす。逆に添い寝をする場合ソフビの腕がこちらの体の下に入ると痛そうで、あまり向いてなさそうだ。
クッションの胸は触っても揉んでも何の感動もなく実践上での意味は乏しいし、裸体だと乳首がないことで作り物感が厳しいが、着飾っておくなら問題はない。
顔は嗜好の問題が大きいので一概に良し悪しは語れないが、4種の頭部のうち1つくらいは、アンジェの新フェイスのようなリアリティのある顔を用意してもらいたかった。ここはとくに大きな失点で、逆に言うともし私好みの顔が選択できたら、それだけを理由に私も購入に踏み切れたかも知れない。
色々と文句も言ったが、デザインの嗜好さえ合えば、現在発売されているロリータ型ラブドールとしては最良のコストパフォーマンスを持つ製品の一つだと思う。工房徒桜も素晴らしいとは思うが、生産量の壁はいかんともしがたい。


次に木偶の坊から出たキューティドール2010withほのかヘッド。こちらは全部込みで69,800円から。身長130cm、サイズは55-52-68。
プリントボディの復活は喜ばしい。ララドールとは対極的なぺた胸と合わせ極めて犯罪的だ。ロリータらしさを求めるなら断然こちらだろう。だがリアルな造形かと言うと、そこは木偶の坊なのでやはり今一と言わざるを得ない。この軟体動物っぽさから木偶の坊が脱却する日はいつか来るのだろうか。
顔はやはり嗜好の問題だし、これを好む人も少なからずいるようだが、私は無理だ。リアリティは確かに感じるが、はっきり言わせてもらおう、不細工であると。これが笑顔ならまた印象も変わるだろうが、この寝顔はデスマスクにしか見えない。
新推奨ホールであるハニーラブヴァージンは気になるが、これは木偶の坊の手柄ではないし。
良い部分としては頭が分離式なので、本体だけ購入して木偶の坊の他のヘッドを装着できる。‥‥それくらいか。手が芋虫みたいなクッション指なので、着衣での写真映えはララドールに劣る。ぺた胸自体は好意的に評価するが、プロポーションにリアリティがないので水着や薄着が似合うとは思えない。以上の理由から着せ替え用途としては中途半端な存在に思える。もっともララドールはララドールで、あれに水着を着せても小学生には見えないだろうけど。
総括すると、手足がクッションである分、添い寝用途にはキューティドールが上。実践用としては大きな優劣はなく、顔と体の嗜好次第。撮影用としてはララドールが3歩くらいリード。そんな印象。