ラブドールに静電気を起こしにくい衣類

ドールの衣類を物色中、似たデザインで綿製品とポリエステル製品があり、どちらを選ぶかという段で静電気のことに思い至った。ドールを洗うのは手間がかかったり、物によっては洗うこと自体が不可能なので、普段から埃の吸着を抑えておきたい。埃を防ぐためにも服を着せておくことが重要だが、とくに乾燥する冬場は静電気が起きやすいため、衣服を着せたり脱がせたりすることで静電気を蓄積させればかえって埃を吸着しやすくなりかねない。考え過ぎだと思われるだろうか。そうかも知れない。こんなことは実態としては大した意味はなく、ただの杞憂かも知れない。でも考えること自体が楽しいんだから放っといて下さい。
静電気は二つの物質が摩擦を起こしたときに生じる。以下の列にそれぞれの物質を当てはめたとき、離れているほど高い電位差が生じるため静電気が起きやすくなる。


+側 人毛・毛皮 ガラス ウール ナイロン レーヨン 絹 木綿 麻 木材 人体 アセテート 紙 天然ゴム ポリプロピレン ポリエステル アクリル ポリウレタン ポリエチレン 塩化ビニル シリコーン −側
(+と-の中間、つまり電荷0に位置するのは木綿である。この序列を帯電列と言うが、諸条件によって変化するため文献によって順番が異なる場合がある。)
静電気を抑えるためには近いものを並べていけばいいので、例えば人体に絹や木綿の下着、その上にナイロンの上着、その上にウールのセーターという順番なら比較的静電気は発生しにくい。
序列で遠い位置にある素材が一つの生地に混紡されている場合(例えばウールアクリル混紡など)、混紡することで静電気を抑制するという主張もあれば、素材同士で静電気を蓄積して生地が縮むという主張もあり、一概には言えないようだ。
これをドールに当てはめた場合、以下のような推測が成り立つ。

  • シリコーンエラストマーを表面に持つドールはポリエステル・アクリル・ポリウレタンと相性が良い。綿・絹・ナイロン・ウールとは強い静電気を生じる。
    • シリコーンはSi-O-Si結合を主骨格とする。炭素-炭素結合で作られる天然ゴムとは、柔らかさは似ているが、成分は全く異なる物質である。
  • ビニールドールの相性はシリコーンに類似。
  • ポリウレタンやポリエステルの硬質プラスチックのドールはシリコーンに類似。(ここは以下の仮定が前提なので、間違っている可能性あり)
    • 上記は固形のポリウレタンやポリエステルの帯電列における序列が、繊維の場合(上記の帯電列)と変わらないと仮定した場合の話。ところが実際には、例えばアクリルは固形になると帯電性はガラス付近の位置に変質するので、ポリウレタンやポリエステルも固形の場合は繊維と全然違う可能性あり。どーるわらしがBe-J HGキャストを使っているので一応書いたが、実際にどうなのかは現物で確認してみて下さい。
  • ラテックス等のゴム系表皮は綿・絹・ポリエステル・アクリル・ポリウレタンと若干の静電気を生じる。ナイロン・ウールとは強い静電気を生じるが、間に綿・絹を挟むことで軽減できる。
  • ヤマザクラの表皮は綿ジャージなので、綿・絹と相性が良い。ナイロン・ウールとは若干の静電気を生じる。ポリエステル・アクリル・ポリウレタンとは強い静電気を生じる。
  • ララドールの表皮はナイロンなので、ナイロン・ウールと相性が良い。絹・綿とは若干の静電気を生じる。ポリエステル・アクリル・ポリウレタンとは強い静電気を生じるが、間に絹・綿を挟むことで軽減できる。
  • 木偶の坊の表皮はウェットスーツ素材のジャージ貼りとされているが、ジャージ生地の詳細が分からない。ウェットスーツ用ジャージ生地の主流はナイロンとポリエステル。ナイロンの場合はララドールと同様、ポリエステルの場合はシリコーンに類似となるので、どちらなのかによって帯電性は真逆になる。

というわけでララドール向け衣類は、ええと‥‥下着は大体綿がメインなのでデザインで選べばいいかな。それ以外だとポリウレタン100%の生地なんてものはまず無い(希に水着である程度で、普通は伸縮性を上げるために多少混ぜ込む使い方をする)が、上着になるとアクリル100%やポリエステル100%の生地はそれなりに使われているので、シャツの上ならともかく直接着せる場合はちょっと注意だね。といっても静電気が起きるだけの事だから、気にしないならどうでもいい話だね。