国産ラブドールの背の低さと衣装の制限

日本のラブドールは大人の外見をしていても身長は9〜10才相当(130〜140cm)が多いのに対して乳房はD〜Eカップが多く、巨乳小学生といった体型をしているため、既製服の選択には苦労する。身長に合うのは子供服だが、生地の伸縮性が乏しければ胸が入らず着用できないことが多い。また子供服にセクシーなデザインを求めてもなかなか見つからない。胸に合わせて大人服を着せると腰がぶかぶかに余る。大人用フリーサイズ衣装はどうかと言えば、これも結局は大人のMサイズを中心としたデザインで、下は大人のSサイズ(身長155cm程度)までの対応であることが多い。結局子供身長のラブドールだと腰は余るし、裾も袖丈も長すぎる。
ラブドールの背が低いのはおそらく材料の節約を目的としている。同じ体型なら身長を2割伸ばすと体積は7割増しになるので、材料費が倍近くなる計算だ。もちろん実際には体型や骨格が変わるだろうからそこまで単純ではないはずだが、例えばオリエント工業で言うと同じシリコン一体型では136cmジュエル:58万、146cmジュエル:60万、157cmアンジェ:66万(全てバスト小・グリップボディ)と着実に値上がりする。また手足が長くなると関節モーメントが増大し、グリップ保持が難しくなる問題もあるだろう。
はっきりとエロを目的としたコスチュームは当たり前だが大人サイズにしかない。私は中国製の薄っぺらいエロコスチュームが好きで、少し乱暴に扱えばすぐ破れてしまいそうなあれを丁寧に手洗いしアイロンをかける。あの安っぽさ自体がエロさの一要因になっている。円高が是正されたり人民元が大幅に切り上げられると値上がりするだろうから、2000円以下で買える状況は案外そう長く続かないかも知れない。欲を言うと制服や定番コスプレを2WAY素材でレオタード風に作り直したタイプのコスチュームが好きなので、中国産の安いものが増えて欲しい。今は日本産が多く大概1万円以上する。この○○風レオタードというジャンルは存在自体がパチモンくさいところにまたエロスを感じるし、ぴったり張り付くお陰でドールのグラマラスな体型がきれいに出るのだが、残念なことにコスプレ界隈ではややマイノリティに属するようだ。中国産コスチュームはサイズを大きく緩めに作る傾向があって不評の原因の一つとなっているが、伸縮素材ならそれも解決するので相性が良いと思う。新たにラインを立ち上げるほどのニーズが見込めないのだとしたら悲しい。
脱線が過ぎた。詰まるところコスプレ衣装だろうと、あるいは普段着でも、品質に目をつぶれば普通の大人サイズが一番安くて種類が豊富だ。そして日本のラブドールの大半がそれに対応できてないことを、購入して初めて気付くことになる。初心者向けエントリー商品として人気の高いLove Body等のビニール製ラブドールは、どれも大人のプロポーションを子供サイズに縮小したもので、既製品がぴったり着られることはまずない。高価な製品でも状況は大して変わらず、大人サイズの衣装を普通に着こなせたかったらそれを明確に意識して、ラブドールとしては標準から外れた割高な大型モデルを意図的に選択しなければならない。メーカー及び販売店はそのことを商品説明の段階ではっきり告知する必要があると思う。