コスプレのためのラブドール

コスプレさせることが主な目的なら等身大であればいいので、ラブドールにこだわる必要はない。ただペーパームーン等身大フィギュアは高すぎる。サイズが公開されている「きゃらめる・りぼん EXごーじゃす」に関してはマネキンとして利用可能なプロポーションだと思うが、ポーズ固定のドールに20〜30万払う気にはなれない。キャンバスドールは外見が粗雑すぎる。素朴な味のつもりだろうが、私にとっての価値はゼロだ。フィーバードールの体付きはリアルで好きだが顔が怖いし、あれで10万越えはない。メイク済みポーズ固定マネキンなら結構出来が良いものをいま1万ちょいで買えるので、それを基準に考えるとほとんどの等身大人形は出来不出来に関わらず「値段高すぎ」という評価で終わってしまう。そこでポーズ可変なマネキンとしてのラブドールの出番だ。ただしラブドールとしての機能とコスプレマネキンとしての機能の両立は難しいので、ここはあくまでマネキンとしての考察に限定する。
リアリティと可動性を最も高く両立させているのはシリコンタイプの大型モデルだが、2〜3年で劣化する消耗品に乗用車みたいな出費を裂くのは私には無理だ。買って買えないことはなくても、身の丈ということを考えると精神的に耐えられない。それにシリコン一体型ドールは肩の自由度が低いために、袖を通すことができず着られない種類のトップスが多すぎる。手足分割型ならこの問題は回避できるが、一体型よりは割安といっても結局高価であることに変わりは無い。
シリコンではなくウレタン製ラブドールとしてErieとハルミデザイン製品がある(Erieはラテックスの外皮あり)。Erieは顔が大変好みだが、身長が小学生並というのがネックになっている。成人サイズが出たらおそらく購入衝動は止められない。だが初代が出てもう4年経つのにメジャーチェンジをしないところを見ると、おそらく大きな賭けに出られるほど資金ぐりが良好ではないのだろう。むしろ1種類の製品だけで会社が4年もったのは凄いと言うべきかも知れない。なおハルミデザイン製品は経年劣化による黄変化がひどいと聞くので、コスプレ用途としては最初から考慮の対象外にしている。
クッションドールは腕が自在に曲がる点で着せ替えは容易だが、大人サイズかつ現実的プロポーションという条件が難しい。木偶の坊のSex Dollは身長とバストとヒップの比率までは合格だが、写真を見るとリアルな人体という印象が湧かない。これは木偶の坊が元々実践重視だからかも知れない。クッションなので仕方ないとはいえあんな造形の手なら無い方がいいし、Type Gの尻もひどいし、やっぱりウエストが細すぎる。私が求めているのはビキニを着せても違和感なく映えるボディなのだ。Love Venusがもう一回り大きくなれば外見は私の理想に近くなる。あとはポーズの変更と維持ができれば‥‥だがそれには骨格が必要だし、骨格まで用意するなら外皮も布ではなくゴムにするだろう。それはもうErieだ。
では安価なメイク済みマネキンを部屋に立たせるか。これは悪くはないし今でも検討中だ。顔が駄目でも夏音マスクを被せて解決できるなら問題ない。ボディが硬いので、ちゃんとMサイズの衣装を買ったはずがきつくて入らなかったり、逆にゆるゆるだったりという事もありそうで(サイズがいい加減な輸入衣料ならとくに)、そのあたりの融通性は柔らかいクッションドールに一歩譲る。まともな肌色と、ビキニが映える乳と尻の造形が条件で、さらにフレキシブルマネキンの可動性が加わればもう言うことはない。ただし10万円以内でお願いします。
当面のコスプレ用途としては、女体マネキンの俗称で近年認知されるようになったビニールマネキン(エアートルソー・エアボディーハンガー)が一番私の身の丈に合っていると思う。ラブドールではない一般商品の方だ。基本はMサイズで、マネキンだから当たり前だが大人サイズの服に完全に対応している。首にフックが付いているタイプなら、スチール棚などの平滑面に貼り付けた吸盤からテグスで吊るすだけでディスプレイできるのでスタンド要らず。柔らかいからMサイズのボディをSサイズの衣装に押し込むのも可能で、衣装のサイズ選択に幅が出る。硬質プラスチックのマネキンだとこうはいかない。今のところ日本で流通しているのはトルソのみのタイプと足が付いているタイプだけだが、海外では手足付き・全身型もある。さすがにリアリティあふれる形状とは行かないが、安価なので改造素体にはいいかも知れない。さしあたってイリサワVカラースプレーのスーパーフレッシュとつや消しクリアー(各100cc、700円程度)を吹いて肌色にしてみようと思っている。